この前の昼休みのことだった。 優希が友達と話しているのをいつものように盗み聞きしていた。 「僕、ほんとに勉強しないとやばいよぉ?進級できないって先生言われちゃったぁ??」 「まじかよ?なんだったらオレが教えてやろーか??」と友達。 「いいよ?だって智、僕と大差ないじゃんかぁ?」 その話を聞いていた大地は、ダンボになっていた耳を引っ込め、イノシシのように突進していった。 「はぁっはぁ…あのさ…なんならオレが教えようか??」 「えっ!いいの?僕も齋藤クンが教えてくれたらなぁって思ってたんだぁ」 (まじ…ラッキー?) 「なら話は早い。今週の日曜日とかどう??」 「その日なら全然 OKだよ?両親もいないから、こっそり勉強してビックリさせられるしね?」 (うまいこといきすぎだろ?) 「じゃあ日曜日に行くから。」 「楽しみにしてるねぇ?」