彼女は
「大丈夫です、気にしないでください」
と笑顔で言うと、
空いたグラスを手に持ち仕事に戻っていった。
上司はみなすっかりできあがってしまって、謝りもしなかった。俺は彼女に申し訳なく思った。
すると、裏口から彼女がタオルを持って外に出て行く姿が見えた。
急いで彼女を追いかけ、裏口の扉を開けるとそこで彼女が濡れた制服をタオルで拭いていた。
「あの…ホントにごめんなさい。みんな酔っぱらっちゃってて」
彼女は俺の顔を見ると笑顔でこう言った。
「いいえ、お客様に楽しんでお酒を飲んでいただくことが私の役目ですから。それにこれくらいすぐに乾きますよ」
そうは言ったものの制服の上着はビッショリ濡れている。
しかも店の外は寒くどう考えても乾きそうもない。俺は彼女に上着をかけてやり、タオルを手にとった。
彼女はびっくりして
「お客様、ほんとにお気になさらないで。お店の方にお戻りになってください」
と言ったが、俺は戻らなかった。
彼女の制服は胸元が中心に濡れており、下着にも浸透していることは明らかだった。
「これ、制服脱いで乾かした方がいいんじゃないかな」