「分かった様な言い方すんな!お前がアイツの何を知ってるっつーんだよ!!」
まるで庇う様な言い方
庇ってるのは自分自身のクセに。
「何が忠犬だよっ…アイツを犬猫と一緒にすんじゃねぇ!」
必死、必死で。これじゃ何かを隠して焦って言い訳してるガキと一緒だ
言葉を出す事に自分が惨めになっていく
「…
じゃあ何なの?」
…は?
「相原にとって天宮って何」
そこで初めて黒城と目が合った
─深海の様な蒼い瞳
まるで吸い込まれそうなその瞳に
油断したら
溺れそうだ─
「…っ知、るかよ…
幼なじみじゃねぇの…」
何とか目を反らすが声がどもってしまう
「幼なじみ…ねぇ」
フッと笑われた
何が言いてぇんだって強気に言ってやろうとした
瞬間
─ビクン!
…な…
妙な不快感
目を向けると叫んだ時か無意識に胸ぐらを掴んでた俺の手を黒城の細長い指が触れていた
妖しい手つき
「分かってないのは相原なんじゃないの」
…な、にしてんだコイツ…
「少なくとも俺は分かってると思うよ」
やめろ…
「まぁ本当はどうでもいいんだけどね?誰が誰を想おうと」
やけに静かな口調のクセに
酷く熱っぽい感覚に襲われる
「ねぇ、遊ぼうよ」
目の前にいる男が一言
口を妖しく歪めて俺に言った