「お前が禁煙させてくれんだろ?見張っとかねぇと、また吸っちまうぞ」
ボサボサになった髪の隙間から、驚きの色を帯びた大きな目が見える。ポカンとした様子で俺の言いたいことをイマイチ把握できてないみたいだ。
「そ、れって…どういう…?」
やっぱわかってない。
「俺が煙草吸わないように側にいて満足させろってことだよ。…その身体でな」
ニヤッと笑って乱れた神野の後頭部に手を回しキスをする。触れるだけの軽いヤツ。
顔を離すと、真っ赤になってる神野と目が合った。
「な、返事は?」
まだ惚けてる神野に催促すると、ハッとして抱き付いてきた。
「もちろん、ずっと側にいるよ!うぁ〜うそみたい………まじ幸せぇ……」
くっついたままそう独り言を洩らす神野を素直に愛しいと思った。
男同士だとか倫理だの道徳だのは関係ねぇ。戻る道も必要ない。今のこの感情に素直に従おうと思える。
「オレら2人して中途半端に裸で…なんか間抜けだね」
離れてお互いの格好を見て笑う。まずい、勃った。可愛い顔で笑った神野が悪い。
無言で神野の手を取り、俺の反応したモノへ導く。
「え?………ぇえ!?」
また耳まで真っ赤にして俺を見てくる。だからそんなにソソる顔すんなって。
「お前のせいででかくなっちゃった。シて?」
どうやら俺は本格的にハマってしまったようだ。そんな自分も悪くない。煙草も辞めれることだし、健康的でいいじゃないか。
そんな禁煙一日目。
終