いつからだろう?満足いくセックスなんて自分には当てはまらないと幻滅したのは。結構早い段階だった気がする。別に過剰な強引さは求めていない。高度なテクニックだって期待しない。でも満たされなかった。
貫いて欲しいと懇願するほど相手がもたない。スイッチが入りかけた頃にはもう相手に力がなかったりなんて、もう慣れっこだ。
本当は時間をかけて高めて欲しい。飢えを隠して冷静に味わって欲しい。性感帯の限界を越えてきて欲しい。実験を繰り返す研究者みたいに、私の身体を知り尽くして欲しかった。
諦めた頃にあいつに出逢ってしまった。
初めて言葉を交わした時から、今までにないくらい惹き付けられた。本能的にと言っていいくらいあいつに反応した。多分同じ人種。互いに希望の光を見い出したみたいに、目が合うたびに好奇心が湧いた。
先に動いたのは、驚いたことにあいつだった。