「ちょっと、これ、見てくれる?」
トニはパソコンの前に座ると、あるページを開いた。
黒地に、ゆがんだ十字架の絵があり、その横に、4文字のアルファベットがあった。
「K、I、R、A、・・・キラ・・・これって、まさか!」
「そう。今や世界中に『死神の申し子』って知れ渡ってる、キラ関連の事件は、今、僕が一番、頭を悩ませてることなんだ」
「ご苦労察しますね、Mr."L"」
「あーあ、やっぱり、リノには知れてたことか。君に心配をかけたくなくて、仕事はその名前を使ってたけど・・・」
「そんなことしなくても・・・私は、トニの成功を信じてるよ」
「リノ・・・君・・・泣かせないでくれよ」
トニは、目を拭いながら、満面の笑顔を見せてくれた。
「今日は、久しぶりにトニと過ごせて、嬉しかったわ」
「そうだね。・・・いつも、今日みたいだといいんだけど・・・」
トニの笑顔が、少し寂しげに曇る。
「トニ、元気出して。今は、難事件の解決が先じゃない。私も遠くから応援するわ」
「リノ・・・ありがとう。落ち着いたら、またリノに会いに来る。約束するよ」
「トニ、またね・・・」
この時、私は、トニの成功を確信していた。
彼の人生の、衝撃的な末路など、知るよしもなくーーーーーーーー