由紀がこの能力の持ち主という話は、瞬く間に街中に広まった。
普通なら、これを口実に、ガキ大将達の格好の獲物に・・・となるところだが、その心配はない。
由紀は、仲のいいノラネコ達を連れて歩いていたので、彼らのおかげで、逆にガキ大将達が傷だらけになるのである。
そして時折、クラスメイトから、ペットの相談をされることもあった。
ニコラスは、由紀の10歳の誕生日に、母親が親戚からもらってきた。
今では文字通り、姉と弟さながらの仲である。
【ふーん・・・人間の世界って大変なんだなぁ】
【まぁねぇ・・・そういう意味では、動物がうらやましいかな。まぁ、ノラの世じゃ、そうも言えないだろうけど】
【だね。ほら、こないだ、うちのそば通ったノライヌいたじゃん】
【あぁ、あのちょっと汚れてた子ね。流れ者って感じしたよね】
【あいつ言ってたよ。「俺達の生活に比べりゃ、人間の生活は軽いもんだ」ってさ】
家で暇な時など、由紀はニコラスと話をすることが多い。
由紀が思春期と知ってか、ニコラスはよく、恋愛の話をしてくる。
【姉ちゃんは、恋人いないの？】
【えー、いるよー・・・ニック】
【うわー照れるなぁ〜って冗談やめてよ！】
ニコラスは知らない。
由紀がその後〔行動〕にでることをｰｰｰｰ
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