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それでも愛したい 9

 2008-02-14投稿
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「あまりに生まれた時は家計が厳しくてな…子供の居なかった秋野……秋野さんと一緒にお前を育てることにした…その間、涼香ちゃんはこのヒトが一人で育ててくれてな…」


「秋野…さん……?」


「ごめんなさい涼…。裏切るつもりは無かったの…。ただあまりに二人には話しづらくて…」

「不思議だよね涼…。私たち、お姉ちゃんと弟だったんだよ?」

そう言った涼香の声が震えている。


「でもね涼…今になって話すのはね…私もやっと再婚相手が見つかったからなの」

「母さんは、これから俺たちとは別々に生きていくんだ。涼…男なら祝福してくれるな?」

「そんなの……俺…」

「お願い、涼…!全て決まってしまったことなの…!あなた達は姉弟で…!家族で…!私がワガママを言って育てさせてもらってただけなの!」


「本当にすまない。涼」

「涼くん、涼香とこれからも仲良くしてやってくれないかしら…」

決まってしまったこと…。

こんなやり方フェアじゃないと言える状況でも無かった。

もう言えることはこのくらいしかない。


「…母さん…今まで本当にありがとうございました。………幸せにな」

涼は涙を堪えきれずヘンな笑顔のまま言った。

涼香は涙を流しながら祝福してくれた。

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