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それでも愛したい 13

 2008-02-17投稿
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一時間後。


服を整えた二人は、どちらもベッドで寝ずに、涼香はソファで横になり、涼は部屋にあったミニ冷蔵庫からお茶を二人分、注いでいた。

「飲みなよ」

涼香の瞳はどこに視点がいっているのか定かではないが、涼は見ていなかった。

「俺…カラダだけとか…そんな軽く、考えてないからさ…なぁスズ。関係は、今まで通り続けないか?」

「…………」

「気ィ悪いのは分かるけど、逃げても解決しない問題だから…俺たち家族なんだし」

「家……族…」

「こういうことは、今夜で終わろう。だけど俺たちまで、終わるって、なんか納得いかない」

「…………わかって…」

お茶を飲みかけた涼は手を止めた。

「わかってよ……私たち…もう…無理だよ」

「どうして」

「言わせないで……」

涼は分からなかった。
涼香が何と葛藤しているか。

「私たち……………私たちまた、同じことをする…」

ソファに顔をうずめ、涼香は泣いた。

涼香は二人が深みにハマればハマるほど、今夜と同じことをしてしまうのが怖くなったのだ。
愛し合う男女が、同じ空間で寝起きする。
自分たちの欲求を制御出来るハズがない。


「スズ………こんなの…こんなのってねぇよ………クソ…!」


その晩、泣き疲れ眠った涼香をベッドに寝かせ、涼はソファで眠った。

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