神戸に着いたのは真夜中だった。
「それじゃ、明日8時に
ここ集合な!」
伊野は、フロントから自分の部屋のキーをさっさと受け取ると、自分の部屋にとっとと行ってしまったのだった。
取材用の機材と荷物を僕の目の前にダァーンと放置したままで…。
「?…?」
僕は、それらをずるずると引きずりながらエレベーターに乗る。
「まぁ…許してやろうか」
昼間あんな伊野を見てしまった。もし…今夜、伊野に迫られても…僕…拒めないかも…知れない。
伊野が「好き」なのかも知れない…。
でも、認めたくない。
でも、認めたら…楽そうだし…。
でも、伊野…男だし。
でも、伊野…男前だし。
でも…でも…でも〜???
「はぁ〜?(-。-;)」
だから、複雑な僕もいるんだってばぁ〜?
神戸の夜景の美しさに僕、いつもに増してオカシクなっているのかもしれない。「バカ…みたい…」ようやく自分の部屋に辿り着いた僕は、シャワーも浴びずにそのままベットにダイブして寝てしまった。