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大切の物語

いずちゃん  2005-12-13投稿
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今日も学校が終わった…
最近毎日短いなぁ…。

僕の名前は一樹。ちょっと変わったシャイボーイさ。
学校が終わると妹のユリエを保育園に迎えにいく。これは僕の日課の一つだ。母さんは 夕方になるとどこかへ出掛けてしまう…男の所だろう。
僕達は小さなアパートに3人で暮らしている。小さい頃に両親が離婚し 父親はでていった。あんなに仲のいい夫婦だったのに…金が関わると メチャクチャになってしまうのだ。
「ゆりえ。今日はカレーライスでいぃか?」
カレーライスと言ってもじゃが芋と人参しか入っていないものだ。
「カレー食べたばっかりよ。たまには焼肉食べたいよ…」

…僕だって 食いたいさ。

母さんは仕事もしていないし…食いたい物も食えない生活。こんな生活になってから もう3年か…。母さんは3年前までは 夜の仕事をしていた。小さなスナックだったが 常連の客は沢山いた。そのうちの客の一人と恋愛に落ちたのだ。母さんは気が優しく断れない性格で、代理人になったのだが 500万の借金を残し消息不明に…。母さんは店を引き払い借金を返した。都内の一等地にあったため高値で取引されたという。
それ以来母さんは狂ったかのように不特定多数の男と関係をもつ用になったのだ。
そんな僕も高校3年…思春期を迎えた僕には彼女が居る。部活動が一緒で1年から仲がよかった愛だ。僕が一方的に好意を持ち…ずっと片想いしていた。僕は自信がないため告白出来ずにいた。そんな時愛から突然の告白を受け、僕と愛は交際を始めた。愛はいつも優しく自分の考えをちゃんと持った子だ。正直僕にはもったいないだろう。
「カズくん!!」
愛の声がした。後ろを振り向くと愛が走りながら近付いてくる。
「おう!!愛、どうした?」
…やっぱり愛は本気で可愛い。僕はこんな子と付き合えるなんて本当に幸せだなといつも思う。
「今日二人で…遊ばない?」
それは愛からのデートの誘いだった。僕はもちろんOKしたのだ。愛とデートするのは丁度一週間ぶりの事だ。
「今日は二人で公園いきたいなっ♪」
愛が甘えると可愛さのあまり、僕は顔がにやけてしまう。愛はにやけることを知っている。
「なんで笑ってるの?」
わざとらしい質問までしてくる。けれど、そんな愛が愛しくてたまらない。体の関係もまだない…ましてやキスもしたことがない。僕は本当に愛を大事にしたかった…大事に……。

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