二日後…
学校帰りにまたお馴染みの喫茶店に寄る。そして店長と会話しながらココアを飲む。ここにいれば嫌な学校のことも少しは考えずにいれた。
程なくして、喫茶店のドアが鈴を鳴らして開き、一人の男が入ってきた。
……(あの男だ!)私はとっさに顔を伏せたものの店長と親しげに話す彼をコッソリ観察することにした。
(背が高くて細身だけど筋肉質な感じ。顔は……男ぽくて……カッコいい)思わず見とれてしまった。前回会った時は、彼が帽子を目深に被ってたのと、私が出来るだけ見ないようにしていたのもあって彼が俗に言うイケメンだということに気付かなかった。
すると店長と話していた彼はいきなり、私の隣に座ってきた。そして、私の方を振り返り、
『前にも会ったよね、俺ショウっていうんだ。21歳。よろしく』と言ってふざけたお辞儀をした。
『へぇ…』私はそう呟くと鞄を持って立ち上がる。
『ごめん、逃げないで?少し話したいんだ』彼は私の手を掴んだ。
私は久しぶりに男性に触れられたことに驚き、『林田蘭。高3。……話したわよ、満足?』
と早口に言って手を振りほどき、いつの間にか降っていた雨にも関わらず外に駆け出した。ショウが後ろから追ってきているとも知らずに……