「これ誰?お母さん?」
もうすぐ中学の娘マリが昔の写真を見てはしゃぐ。
「キャッヤダ、可愛い」
「でしょう?」
調子に乗って真弓はおどける。
「確かに昔は結構よかったよ。昔はね」
私がそう言うと真弓は肘で突いた。
「お父さんが苦労ばかりさせるからよ」
まあ冗談だが、事実結婚する前の真弓は可愛らしい女の子だった。
あれから15年…
真弓は今年40になる…
家庭はうまくいっていて、何の不自由もないが、私は刺激が欲しかった…
「あなた、またパケットすごい量よ」
携帯の請求明細を持って寝室にやって来た…
「いいじゃん、定額なんだから」
「ね、出会い系なんかやってないでしょうね」
「やってないよ、うるせえな」
私は布団を被って寝たふりをする…
実は私は出会い系にドップリ浸かっていた…定額に変えたのも、真弓にうるさく言われ出してのことだった。
そしてある晩…遂にそれが最悪の形でバレてしまった…
先に布団に入っていた私は、携帯を持ったまま眠ってしまっていた…
ふと目を覚ますと、真弓がさめざめと泣いている…