「はぁ。ヒマだな〜」野々太は寝っころがった。「ドコ右衛門は22世紀で、故障の治療してるし。何かないかな〜」
野々太はふと、押し入れの方を見た。
パチンッ。「そうだ」野々太は押し入れのふすまを開けると、ドコ右衛門がいつも寝ている布団の下に、手を突っ込んだ。
「あったぞ。スペアバッグだ。前に、予備のバッグを入れているから、何かあった時に使えって、確かドコ右衛門が言ってたっけ。まさに、今が使い時だ。でも、何に使おうか…」
野々太は考えた。
「そうだ」
野々太は、『ドコへでもドア』を出した。
「よし。しみかちゃん家へ」野々太はドアを開けた。
「あら、野々太さん。どうしたの?」しみかちゃんは勉強をしていた。
「ちょっとね。遊ぼうかと思って」
「ゴメンナサイ。今は、勉強中なの。また今度、遊びましょう」
「そうなの。でもね、もう断れないんだ」野々太はそう言うと、バッグから何かを取り出し、それを壁に貼った。
「ちょっと、なにしてるのよ」しみかちゃんはそれをはがそうとした。
「ダメだよ。それね、『個室隔離装置』って言うんだ。僕しかはがせないんだ」
「じゃあ、はがしてよ」
「遊んでくれたらいいとも」
「無理って言ってるでしょ」