佐野くんの家に向かう途中、恋愛の話になった。
「佐野くんてモテるでしょ?」学校で女の子に呼び出されてたのを知ってる。
「私は侑がモテそうに見えますが?」
「あ!ウマく話そらした!」
二人で笑いながら話していると、佐野くんがいつのまにか真剣な表情になっていた。
「佐野くん?どうしたの?」
(具合でも悪いのかな…)
「侑・・・」
「?、なに?」
「・・・・・・・いえ、聞きたいことがあったんですが、・・やっぱりいぃです。」
佐野くんの顔はなぜか悲しげだった。
「あ、もうすぐで着きますから」そう言った佐野くんの表情にはすでに悲しいものなどなかった。
「う、うん」