僕は愛と公園デートをする事にした。僕らは、よくこの公園にきては二人で話をする。白のベンチがあるのも ここ周辺ではこの公園だけだ。
愛はいつもと変わらぬ様子で僕に聞いた…
「ねぇカズかくん。もし私が急に居なくなったらどう思う…?」
僕は何も考えずに答えた。
「愛は消えたりしないから考えないよっ」
愛はにこりと笑った。これが最後のデートになるともしらずに…。
愛は 次の日学校を休んだ。愛は毎日学校へ来ている子で遅刻もない。みんな心配していた。もちろん僕もだ…。担任に聞くが“風邪だから明日は来る”と言われた。風邪でも心配で心配でいられなかった僕は、学校の帰りに愛の家にお見舞いに行くことにした。もちろん誰にも内緒にして僕一人で。
ピンポン…
チャイムが鳴り 愛の母さんがでてきた。
「こんにちは。同じクラスの者です。愛さんのお見舞いに来ました」
……………
「愛今寝ちゃっててね…せっかく来てくれたのにごめんなさいね…。」
…………
愛の母さんは 何か焦った表情で僕に告げた。まるで何かを隠しているかのように…。そう言われては、いくら彼氏であろうと迷惑はかけられない。僕は角の花屋で買った チューリップを愛の母さんに渡し、軽く会釈して帰った。
家に着くと鍵は開いていた。しかし母さんは居なかった。また男の所にでも行ったのだろう。そんな事より僕は本当に愛が心配で堪らなかった。家の電話がなった…。それは保育園から電話だった。僕はゆりえの迎えなどすっかり忘れ、ただ呆然としていたのだ。
保育園へ迎えに行くと、ゆりえは泣いていた。そして僕の顔を見つめて泣きながら喋りだした…
「パパみたぃにお兄ちゃんもゆりえ捨てちゃうの?」
僕は言葉を失った。ゆりえと僕は 父親が違う。僕の父親は 離婚したが、ゆりえの父親は母さんが関係をもった男との間に出来た子なのだ。僕は ぎゅっとゆりえを抱き締め続けた。
「ゆりえ安心しろ…」
僕も涙が溢れそうだが精一杯堪えた。
続