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SNOW DROP

まよ子  2008-05-06投稿
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舞い落ちる粉雪…満面の白銀世界の中、幼い俺はいた。

『あのねー、おおきくなったらねぇ?
しゅんのおよめさんになるんだー!』

「ほんとうに?」

『うん!だって…』

日の光の加減で相手の顔までは見えない。
それでも俺は嬉しそうに笑っていて。
とても、とても、幸せそうだった……

――――――――――――
「………っはぁっ!!はぁ、はぁ…」

まただ。またあの夢をみた。
これで何度目だろう、あの夢を見るのは。

「…っ…。」

ふと手を顔にあてると、自分が泣いているのがわかる。
夢の中の自分はあれ程幸せだったのに、
起きれば胸が苦しくて切なくてはち切れそうになる。

「…んだよ…誰なんだよっ!!」

壁に拳をたたき付ける。それでも胸の痛みは消えるどころか増す一方で…
顔もわからない、夢の中の相手が憎くて憎くて愛おしくて。
俊は涙を右手で拭い、カーテンを開けた。

「………あ…。」

その朝、季節外れの雪が降った。
恐らくそれは、出会いの予兆…

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