「…ン…ハッ……ヤメ…!」
俺は頭がおかしくなりそうなのを抑えて、睦月をおもいっきり突き飛ばした。
「ハァ…ハァ…ッ」
「すいません……今日はよく突き飛ばされますね。」
…なんで…そんな冷静に…
何を喋ればいいのか…どうしたらいいのかも分からず、無意識に腕で口を押さえながら、ただ突っ立っていた。
「…真矢………。」
スッと睦月の腕が近づいてきて、俺は抱き寄せられそうになった。
けど、俺はそれをふりほどいた。
「なんなんだよ……
なんでこんな事…、
俺が好きだって言ったからからかったのか!?」
「違います。
私も真矢が好きだったんです…。一目見た瞬間から。」
「……?」
何…を言ってるのかわからない。
「昨日初めて真矢に出会って、自分でもどうしてだか分からないのに、どうしようもなく愛おしくて仕方がないのです…。」
「…そんなっ…。」
「好きです。」
そう言って再び体に回された腕を、振りほどく事ができなかった。