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SNOW DROP〜席〜

まよ子  2008-05-07投稿
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「ねえ、河野君って部活どうするのー?」
「髪綺麗だよねぇ。どうやって染めてるの?」

案の定、HR後の休憩時間、河野の席は多勢に囲まれた。
四方から質問攻めに合うものの、淡々と答えているその隣で
携帯をいじる俊は眉間にしわを寄せる…
(うるせえ…)

俊の席は一番後ろの窓際から2列目。
それまで一番後ろ窓際の席、つまり自分の左隣は空席だった。
誰にも遮られず、外を眺められるこの席を俊は気に入っていた…
ついさっき、アイツが来るまでは。


(はあ、早く休憩終わらねーかな…)
そう思ったのと同時、一人のクラスメイトが河野に質問した。

「河野って家どこらへんにあんの?」

『えーっとね…』

その時、ふいに俊は視線を感じる。

『しゅ…黒崎君の家の近くだよ。』

(…へ?)

周りにいた奴らが一斉に俊の方を向く。
へぇと納得する者…中には目を輝かせて何やら小声で話す女子達もいた。

(何故そこで俺の名前を出すんだよ。……ん?ていうか…)

【キーンコーンカーンコーン】

その時、授業開始のチャイムが鳴り、
周りのクラスメイトは仕方なしに自分の席に戻っていく。
現国の授業が始まり、教室が静まり返る中で
俊は先程ふいに生まれた疑問を思い出した。

(コイツ…なんで俺の名前知ってんだ。)


そんな俊が我に返ったのは、
新しい隣人から再び声をかけられた時だった…―

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