あれから家に戻った私はすぐにシャワーを浴びた。
髪の毛にまとわりつくおじさんの匂い…
イヤとか気持ち悪いとかじゃなくて、あまりに衝撃的過ぎて、うろたえた私。
動揺は後から襲ってきた。
髪をくしゃっとする優しい手…
柔らかいまなざし…
包んでくれる笑顔…
血走った獣の目…
動物の本能みたいなあの腰の動き…
夢だったのかも知れない…
あまりに一瞬の出来事…
小学生のあの時、おじさんはやっぱり…
シャワーを浴びながら…私は夢中で指を…
我慢…できなかった…
「ちょっとりぃ子、聞いてる?」
そんな調子で、その日はずっとぼんやりと過ごした…
夜8時…
明日が土曜日なので、家には山根さん夫婦が来ていた。
「ほう、りぃ子は免許取ってたのか」
「え、はい…」
おじさんは憎らしいぐらい平静だった。何もなかったみたいにまったくいつもと変わらない笑顔…
「お姉ちゃん、運転したいんでしょ?おじさんに頼んだら?」
え〜?
お母さんが説明する。
「免許取りたてでしょ?運転させろってうるさくて」