翌朝…
私は 言われたように、Tシャツと綿の単パンと言うラフな服装で出かけた。
助手席のおじさんは街の景色を楽しんでる。
時々あくびをした。この呑気さに少しムッとする。
「りぃ子、もっと肩の力抜いて…」
街中なんてヤダって言ったのに…
「街中走れないと意味ないからね」
おじさんはサラリとコースを決めてしまった…
「そう、そこは右折車に気をつけてね」
ノロノロ走ってると、後ろに行列ができた。
「りぃ子、もうちょっとスピード上げるか?」
「あ、はい」
「う〜ん、もうちょっと…」
アクセルをちょっと強めに踏んだ。
!!ギュイイイィィン!!
ヒィ!
「お、おいおい、」
しまった!
車がギクシャクと蛇行した…
「慌てなくていいよ。ちょっと左に寄ってやりすごそう」
…ふう…
手は汗びっしょり。
後続車が次々に私を抜いて行った。
おじさんはニッコリ微笑んだ。
「緊張し過ぎだよ」
だって…私は色んな意味で緊張している…
優しいおじさんの指導を受けながら、私はしばらく街中を走った…