「若いっていいなあ」
おじさんが茶化す。
「りぃ子の彼氏、見てみたい気もするなあ。」
「あなた、悪趣味ねえ」
「冗談だよ、」
「で、どこ行くの?」
ワクワクしたような聞き方のおばさん…
「ああ、あのスーパーか、あれは一度行ってみようと話してたんだけど、ウチもまだなのよ。」
「あんな広い店、迷子になるから気をつけろよ」
ちょっと話したら、結局おばさんに根掘り葉掘り詮索されてしまった…
「あら?山根さん?」
隣に乗り込んで来た中年のおばさんが、吊り革につかまりながらおばさんに話しかけた。
偶数の再会らしい。ひどく懐かしそうに会話し始めた。
おじさんは軽く会釈して、私と窓から流れる景色を眺めてた…
「あそこは今度りぃ子に案内してもらおうと思ってたんだけどな」
「……」
「いやか?」
私は首を横に振る…
「あの…早めに終わったら…」
ヤダ…何言ってんの、私ったら…
「アハハ、デートの邪魔をするつもりはないよ」
「買い物に誘われただけだから…」
おじさんは探るような視線で私を見た…