「直哉、お前、先輩の球くらってもねぇのに、んなこと言ってんなよ。チャレンジ精神だぞ、何でも!・・・先輩、お願いしますよ!」
「おまっ、バカ!余計なこと・・・」
「いいって、俺もナオ公のバッティング見たいからさ!」
「・・・分かりましたよ、思いっきり頼みますよ!」
雄次郎は大きく振りかぶると、渾身のストレートを投げた。
カキィーン!!
ボールは一気に、ネットの上方近くまで飛んでいき、ネットに当たる音が聞こえた。
「すっげぇー!直哉、先輩の球打てちゃったよ!」
「兄貴!僕、自分でもびっくりです!」
「ナオ公!お前は本物だ!お前が俺達の?番だよ!!」
「あざーっす!!」
その日の昼、直哉は学食のテーブルで、友人達から誉めちぎられていた。
「直哉、聞いたぜぇ!金剛先輩の豪速球、ホームラン並に飛ばしたらしいじゃんか!」
「お前のバッティング見たくて、甘めに投げてくれたんじゃねぇのw?」
「ありえねぇよw!ゴウ兄貴は、投げる時はマジモードになるんだからさ」