女将はロレツが回らない程酔っていた。「ジョー、キッスして!早く!キッス!」女将はジョーにキッスのおねだりをする。ジョーは、困った。女将は、「私と百合さん、どっちが大事なのよ?滝沢!こっちを見ないの!」滝沢は、この時「ジョーは、愛華を抱いたな!」と悟った。滝沢は、ジョーに目で合図し女将とキッスをする。「百合の事を妬いているのか?」滝沢は、目のやり場に困った。エレベーターが女将自宅前で止まった。二人は女将を抱え部屋に向かった。部屋の鍵は、女将自身が開け、二人を締め出した。「あーぁやれやれだ。女の嫉妬は怖いからなーあ。どうだ?ジョー君ちょっと付き合ってくれないか?」滝沢は、ジョーを誘った。女将の自宅横の小さな扉を開け、階段を登った。そこは、日本庭園を思わせるような豪邸か建っていた。「愛華が特注で作らせたんだ。」ジョーは、度肝を抜かれた。「ここは?」と訪ねると「ここか?‥ホテルの屋上さ!夜空が綺麗でな、星が美しい。流れ星なんか最高だ!」確かに上を見上げると、プラネタリウムにいるかのようだった。しかしこの興行師の滝沢は、何者なのか?ジョーは、腹を括った。玄関先からお香か線香の香りが漂ってきた。