「んとねぇ、“あんた喧嘩売りに来てるだろ”と“ダメだ、この天然ボケになに言っても”――ってぇ、ひっどぉ〜い、言われた通りにアダルトグッズも買って来たのに」
「ってぇ、金曜の夜の私んちにナニ持って、押しかけてんのよ!――だいたい、いつ私が言った?そもそも、そんなモノ買う金あったの?」
「チィちゃん言ったよ、“まぁ、まずは馴れだね。オナニーで少しでも『通り道』作ったら”って。お母さんにも聞いてみたら“そうね、レイナももう大人だし、夫婦円満には必要かもね”って、買ってくれたの」
「………」
「チィちゃん“私、そんなまずいこと言ったのか”と“親がそうだから子供もこんなになるのかぁ”って、顔してるよ」
「ひとの顔色読むのやめぇ〜〜っ!」
“ちょっとぉ、夜中にうるさいわよぉ”
階下からの千里ママの声に、千里も冷静を取り戻す。
「……つまりアンタは、私に“自分のオナニーを見ていて”と言いたいわけ?」
「ううん、グッズの使い方を教えて欲しいの。お母さんに聞いても“貴女の旦那様にやってもらうのがイイのよ”って、全然教えてくれないんだもん」