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alone love 4

 2008-06-11投稿
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土曜日の昼過ぎまで啓一は眠っていた。
寝過ごしたのに気付いて起きたのがもうそんな頃合いだった。
昨晩は本当に残業だったため、酷く疲れていたのを覚えている。

しかし、意外なことに隣で真由子も眠っていた。
長い黒髪が口元にかかっていたので啓一は指で払ってやった。

こうしてまじまじと妻の寝顔を見るのも久しぶりだった。
とにかく真由子の父親からは食いっぱぐれることだけは無いようにと釘を刺されていた。
そして仕事をやりすぎたために職場内での不倫に走ってしまった。

真由子は幸せそうに眠っている。
本当に中学生の頃から変わらない顔だと啓一は思っていた。

童顔と言ってしまえば確かにそうだが、それなりに顔立ちはしっかりしている。
しかし、かなり大人しい性格のためか周囲に溶け込むのに時間がかかり、今まで恋愛の機会が無かったのだろう。
そう思ったのち、彼女を真剣に愛せていない自分に腹が立った啓一は不倫という遊戯から早く手を引かねばと考え直した。

途端に真由子が愛おしくなってくる。
不倫という認められない行為よりも、認められた行為が魅力的に感じられたのもあった。

真由子にそっとキスをする。
しかしあまりに気持ちよさそうに眠っているのでそれ以上にいくまで躊躇いがあった。

「真由子。」

ゆっくりと瞼が開き、大きなふたつの瞳がこちらをじっと見つめた。
啓一は単純に可愛いと思った。

「真由子、おはよう。」

「おはよう。啓一、私もしかして寝過ごした?」

「俺も今起きた。もう昼過ぎたみたい」

少し残念そうに目を背けた真由子を撫でた啓一は、慰めて言った。

「今日、今からどっかで一泊して帰って来よう」

突然の案に真由子は驚いたが、嬉しそうに微笑んだ。

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