菜月の為に、朝帰りをした一輝は、本宅に戻り、舞台の用意をしながら、かみさんの啓子に全てを話しをした。「啓子には、悪いが、俺は、面倒を見たい女性が出来た。お前とは、離婚はしないが、宜しく頼む。」啓子は、絶句した。「芸のためなら女房も泣かす…」ある歌を思い出し、「男の浮気は、芸の肥やし」と自分に言い聞かせ納得はいかないものの、芸人の妻として、割り切らないといけない。啓子は、一輝の愛人の存在に承諾した。啓子は、一輝に、「一輝さん、その方とお話しをさせて下さい。決して、嫉妬からではなく、葉月一弥の妻として、挨拶をしたいのですが…許してくれますか?」一輝は、「わかった。夜の部の舞台に見に来るように伝えているから、そして、啓子が、嫉妬したり、嫌みを言うような事があったら、お前とは離婚する!いいな。その女性は、神無月菜月だ。」「わかりました…。」啓子にとって、どれ程のショックを受けたのだろうか。いつか、こんな日が来るだろうとは、覚悟していたが、結婚して5年…「一度も浮気をした事が無かった一輝さん‥でも…」セックスも半年程も無かった。一輝は、舞台稽古の練習の疲れもあったが、啓子は、ショックだった。