個室に着くなり、優次は鍵を閉めて真由子にシャワーを促した。
「ありがとう。」
しばらくして、バスローブを纏って真由子が現れた。
豪華な個室からは夜の海を眺めることが出来、優次は窓際の椅子に腰掛けていた。
「どうしてこのイベントに参加したかを説明させてくれ。この違法なイベントは毎月のようにこの旅館の名物として開かれてる。」
「知ってるよ…私、ネットで見て、この宴会を引き受けたの。」
「宴会の関係者に俺の友人がいた。誘われた時は違法っていうから怖いくらいだったが…参加する女性の顔写真と名前を見て、俺は信じられなかった。真由かどうか確かめたかった。」
「私だよ?私、欲求不満な淫乱でスケベで破廉恥な女なん…」
「やめてくれよ!どうしたんだよ。新婚生活は!?旦那さんは!?」
「彼は……私には興味無いみたい。毎晩、他のヒトと…。」
「そんな…。」
無論、優次も結婚式に参加していたので敬一とも面識がある。
全く不倫をするイメージなど無かったが。
「ハタチの小娘じゃあダメみたい。そう思ったら悔しくなって、彼が欲しくなった。いつの間にか毎日毎日帰りを待って、彼と愛し合える日を探してた。」
だが敬一は不倫を止めること無かった。
衣服に付いた髪の毛や、香水の香り。シャンプーの香りなどでおおよそ仕事か不倫かは見当がついた。
「ひとりでイッてる私自身が虚しくなったの。私だって欲求は溜まるのに……参加すれば全部発散出来ると思ったの。」