数週間後。
「賢ちゃん!!賢ちゃん、合格だったよ!!!」と、
封筒を持って俺の家にかけつける佳織。
俺は暗い表情で跪き、「ごめん、俺・・・俺・・・・・・、」と言う。
「え・・・・賢ちゃん、・・・・・まさか・・・・・・・」
佳織の声が震えている。
「賢ちゃん・・・なんか言ってよ、ねえ。ねえ!嘘でしょ!?嘘だよね!?」
「ああ。嘘だ(笑)。」
合格通知を見せる。
佳織は嬉しいんだかむかつくんだか、って感じの微妙な顔で俺を睨んで、
近所中に響き渡るんじゃないかと思うほど大きな声で
「賢ちゃんのバカ!!!!!!!!!!」と叫んだ。
そんなに遠いわけでもないんだが、自宅から大学まで距離があるため、俺達は部屋探しを始めた。
「ねえ、ここどう??家賃も間取りもいい感じだと思うんだけど・・・」
「俺はこっちのほうが好きかな〜」
そんなことを話しながら、俺達は雑誌を広げる。
俺達は両方の親に何もかもを話し、承諾を得た上で同じアパートで暮らすことが決まっていた。
「佳織がひとりだと心配だから丁度いい」
「賢がひとりだと外食ばかりになるから丁度いい」と、両親も大賛成。
小さいうちから家族ぐるみの付き合いしててよかった・・・。
さすがに同棲まで申し出る勇気は出なかったので、
できるだけ近い部屋にしようということになった。
「わぁ、ここが私の新しい部屋かぁ〜!」荷物を置いて、佳織が言う。
「まえ一回見に来ただろうが、そんな感動すんなって(笑)」と俺。
「そういうことをいわないでくださいー」と俺に詰め寄る。
「わかったわかったって。さっさと荷物片付けろよ。
俺は自分の部屋の荷物片付けてくるから。」
「は〜い。」
※2ちゃんねる