「美味しいね〜このケーキ」「うん」
良介が一口食べたのを見計らって、天音は紅茶を進めた。
「紅茶の葉変えてみたんだけど、どうかな?」
「違いが分かんない。」
いつも通りの午後のティータイム、日によって当番が違うので、毎日全く違うものが食べられる。
「昨日はどら焼だったし、その前は大福、明日は何かなぁ〜良くん」
指を折り数えている天音が「そうだ、今から明日のお菓子かいにいこうよ。」
突然そんなことをいいだした。
「どこに?」
「ほら駅に繋がってるところ。」
「親父の傘下かよ。」
「だけど品揃え良いよ。」
それもそのはず、仕事の関係で留守にすることの多い二人の父が、生活面で苦労が無いようにと会社の内外の反対を押しきり無理に作ったのが丸東デパート1号店。
「わかった、けど少し休んでからにしようぜ。」