「(…寝るなら家で寝ればいいのに)」
俺の席は同じ列の4番目。起こさないように静かに
楽譜だけを取って戻ろう…
そう思って机の椅子を引いた時
ガタン!!
「―!」
一番前の席で寝ていた奴を起こしてしまった…
「ごめん、起こしちゃって…」
楽譜を手にそいつの横まで行った。
「…ぁぁ、うん。」
ゆっくり体を起こしながら返事をかえした。
ドクン…
心臓が大きく音を立てた。
整った柔らかい顔つき。
どこか幼げな目。
少し癖のある黒髪がよく似合っていた。
眠たそうな表情がまた……
「………どうしたの?」
「!!!――ごめん、何でもない!…じゃあまた!!」
俺は慌てて教室を出た。
自分でもびっくりした、
男の顔に見とれてたなんて
しかも、なんだ?
この変な感じ…?
なんだ、この気持ち…?