…浅川詩喜。
アサカワ…シキ??
俺は教室に入るときに
然り気無く名簿を見た。
読み方が分からない…。
そしてその日一日中
前から4番目の席から
浅川を見ていたのは
言うまでもなかった。
…なんなんだ…
浅川の事が気になって
しょうがない…。
浅川ずっと寝てるし。
次、移動教室なのに…。
そして案の定
浅川は授業が終わり
次は科学室に移動しなければならないというのに
寝ていた。
……起こさないと。
遅れるとやばいし…。
あくまでも、
遅れては可哀想だという
気持ちで起こす事を決意。
ドクン…ドクン…。
何緊張してるんだ俺…!
普通に起こすだけだ。
…トントン、
俺は背中を軽く叩いた。
「次…移動教室だぞ。」
すると浅川はまたゆっくり体を起こして立ち上がった
「ありがとう…。」
…立ち上がった浅川は
意外にも小さかった…。
そして相変わらず
綺麗な顔をしていた。
「………行かないの?」
「ぁ、行きます…!」
……また見とれてしまった