俺とアンタの関係は物凄く不安定だから
触れた指先が無意識に絡み合う度に強く握り締めるんだ
アンタがここにいること、何度も確認するみたいに。
その度想うよ
離さないで
この手、握り返して
―\r
「あつー…」
じんわりとくる暑さにはもううんざりだった。
ペンを持つ手を解放させてそのまま天を仰ぐ
「何だ深谷、ギブアップか?」
机を挟んで目の前にいた男は手に持っている本から視線を外さず俺に言葉を投げてきた。
「だって暑い…」
「クーラーついてるだろ」
「俺思うんだけど、設定温度高くしてクーラーつけても意味なくない?」
「じゃあ切るか」
「だーっ嘘々やめて。余計集中できない」
「お前集中する気ないだろ」
吐き捨てる様に言いながらさっきの会話から初めてそいつと目があった
(あ…不機嫌)
「んなことないよ。」
「じゃあ何で真っ白なんだ。」
言いながら机にある用紙を指先でリズムよくトントンと叩かれた
「なんでだろう?先生俺病気なんだ」
「なんのだ」
「恋の病」
「誰に」
「上條先生」
(…あ。赤くなった)
「…馬鹿野郎。寒いんだよ」
(可愛いなぁ…こんな顔のくせして照れ屋なんだから。本当可愛いけど…)
「いや、今日暑いよ」
「お前がだ!」
この人の場合誰にでもそうなんだ