「今日からこのクラスの担任になった、橋那です。早速、授業を始めます。この前の続きから…じゃあ、塚本くん、読んで。」
一寸先は闇。
噂話をした翌日には各クラスの担任は固定されており、
吉城の予想通り、空いていた担任の席に新任の橋那が入った。
キーン、コーン、カーン…
長政の席に吉城がやってきた。
「あのドS女…。2ページ半も英文読ませやがった。」
授業はクラス全体が終始無言であり、加えて英語が苦手な吉城にとっては苦痛であり、恐怖の時間だった。
「あ゛…。そういや委員長と俺、呼ばれてんだった!」
「?大変だなー。」
長政は急いで職員室に向かった。
後ろから吉城の「調教されんなよー」という、悪い冗談が聞こえた。
廊下で委員長にあった。
坪内 ヒカリ(ツボウチ ヒカリ)、長政とは付かず離れずの関係である。
「あ、長政。先生いなかったよ。」
「え?…なんだ、自分から読んどいて。」
「しっかし、エライ先生に当たっちゃったね。」
ヒカリは苦笑いしていた。
「ああ、いくら高校とは言え。もっと砕けた授業が良いよな…。てか、他の先生が砕け過ぎか?」