「今日は学級委員の顔と名前を確実に一致させておかなくてはと思い、呼び出しました。ごめんなさい、確認が出来れば十分ですから。戻って結構です。」
誤魔化しに笑った顔が、また長政には綺麗に見えた。
実際、美人ではある。
「し、失礼します！…長政！」
「あ、失礼します！」
屋上から逃げるように下りると、二人は息を整えた。
「っはぁ！…何だったんだ？」
「はぁ、はぁ、分かんない！あの人って、超インテリのバリバリやり手さんじゃないの！？」
「……はぁ…泣いてた…。」
「…うん…泣いてたね。」
長政はこのまま退屈なクラスで終わるよりも、あの先生のことをよく知り、もっと打ち解けるべきだとヒカリに提案した。
「私も同感。絶対、あの人、まだクラスに馴染めてないだけだよ！これからゆっくり、私たちの雰囲気に慣れていってくれれば…。」
高校２年生から、クラスが変わらず長政たちは３年生になった。
今では多少なりとも、まとまりあるクラスになっている。
「橋那利葉か…。」
「なによなによ〜。泣いてる女にクラってきちゃった？」
「バ、バカ言うな。」
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