そして他愛もない話をしながら、美味しい料理を頂く。
「む、お前・・・腕あげたなあ」
「ふふっ、そりゃ毎日やってたらねぇ・・・」
「す、すいません・・俺も料理できるようになります」
「そういうことじゃないって(笑)」
『ごちそうさまでしたー』
2人そろって完食したあとは、2人で片づけをしてまったり。
しばらくすると、佳織はサっと立ち上がって、冷蔵庫の中から何か取り出して、
俺のところに戻ってきた。
「はいっ、これ・・・・」
手渡されるものっていったらひとつしかない。
四角くカットされてココアパウダーがまぶった、あの美味しい生チョコだ。
さっそくひとつ口に運ぶ。
「あぁ・・・懐かしい味だな」
「でしょ〜」
「お前、店出せるんじゃねえか?」
「いや〜無理だよ、これ結構お金かかるんだから・・・」
「え?板チョコ溶かすだけじゃねえの?」
「クーベルチュールっていう高いチョコつかってるから(笑)」
「へ〜」
「普通の板チョコぐらいの大きさで、500円ぐらいするんだよ〜」
「そ、そうだったのか!!」
「そうそう。脂肪分が28℃ぐらいで溶けるから、
口の中ですぐなくなっちゃう感じするでしょ?」
「おぉ、そういわれれば」
本気で、主婦業で終らせるのはもったいないなと思いつつ・・・
俺はその1年1回の味を堪能していた。
「あ、もうひとつ・・・・」
といってまた佳織は冷蔵庫に何かを取りに行った。
「へへっ、今日は・・・特別だからね」
今度は、生クリームやミントで綺麗に飾られたショコラだ。
どこの店で食うケーキよりも・・・、というか、世界一美味しかった。
※2ちゃんねる