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家族愛 12

ザクロ  2008-12-25投稿
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泣きじゃくる真弓…
孝行は娘をしっかり包むように抱き締めた。

段々真弓が落ち着いてきた。
孝行は濡れた目や頬にキスし、涙を吸い取ってやる…

(びっくりしたか…?)

真弓は父親の胸の中で小さくうなづいた…

(お父さんが悪かった…ゴメンよ…)

サラサラの髪の毛を優しく丁寧に撫でてやる…

(お父さんのこと、嫌いになったか…)

鼻をすする真弓は何も答えない。


娘の機嫌を取るために少しドライブすることにした。それさえ断られたらどうしようかと恐る恐る聞いたが、真弓はうつむいたまま小さくウンと言ってくれた。


天気のいい日だった。
滅多にしない外食を済ませ、静かな山道を走るうちに、真弓は表情が和らぎ始めた。

広い川原を見つけて車を停めた。
せせらぐ水面に小石を投げる真弓…

ワンボックスカーのスライドドアを全開にして、孝行は後部座席から娘を見つめていた。
真弓は照れくさい笑顔を取り戻して、ほんの少し離れて隣に座った。

「男性恐怖症になったら…お父さんのせいだ…」

真弓はちょっと枯れたような微笑みを見せた。

(私…バージンじゃないの…だから、それは多分大丈夫…)




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