(ん、でもちょっとだけ…わかった…)
「…ん?…」
(彼とは…痛いだけだったから…こんなこと…なにがいいんだろぅって…)
またせせらぎの音…
(…すごくショックだったけど……お父さんは…チョットチガッタ…)
照れくさいのだろう。孝行の顔を見ずにうつむいた真弓はやっと聞き取れる小さな声で呟いた…
(どう…違ったんだ?…)
(……ヤサシカッタ……)
はにかむ娘が食べてしまいたいほど可愛い…
孝行は娘の肩に腕を回し、気を遣いながら優しく抱き寄せた。
男性に嫌悪感を持ったかも知れない。だから努めて温かい笑顔を心がけた。
サラサラの髪の毛が鼻をくすぐる…
女の子らしい清潔な香り…
今朝の過ちを心から悔いて、今の今まで詫び続けた…
この愛しい娘の純真を汚す恐ろしさが身に染みたはずなのに…
孝行は…この愛らしさに…全てを忘れそうだった。
性懲りもなく、ドキドキする…性懲りもなく、下半身が…
(…お前は…可愛い…)
声が震えるのが、歯がゆい。
透けるような白い肌…
花びらみたいな唇…
(ユルシテ…クレ…)
娘の唇を奪った…