家に戻ると、寝室に戻った。
「あら、あなたまた寝るの?」
「ああ、今日はちょっと調子が悪い。おとなしく寝て過ごすよ。」
孝行は少しふさいだ気持ちだった。
パジャマにまた着替えて、仮病を決め込んだ。
妻の心配をよそに、孝行の頭の中は、昨日の娘との淫行でいっぱいだった。
鈍く重い気持ちとは裏腹に彼の股間を襲う熱い欲情に悩まされている。
キッチンでは裕之が新聞を開き、降りて来た涼子に視線を移していた。
「お父さん、調子悪いんだって…」
涼子と裕之を二人きりにしないよう、孝行は気を配っていた。涼子も裕之もそれを知っているだけに、孝行はよほど不調なのだと思った。
あんなことがあって、母と息子が二人きりになる時間は殆どなかった。
今こうして近くにいると、ぎこちない空気だった…
涼子は真弓の母親。やはり似た性格で、重い空気が嫌いだ。
「なんか…ぎこちないわね、ウフフ」
「母さんは…警戒してるんだろうね」
涼子は苦笑いする…
「母親が息子を警戒するなんて…ただアンタが心配なだけよ」