裕之は…相変わらず涼子の体を舐めるように見ていた。
当然涼子もさっきから息子の視線に気付いている…
コタツの中…裕之は、ズボンの膨らみ付近で拳を握り締めている。
触りたいのを懸命に堪えているかのようだった…
あの一件以来、裕之は母親の痴態ばかりが頭に浮かんで来て、何度も何度も自分で慰めていた。
涼子はキッチンの床に落ちた水滴を拭いている。
裕之はコタツに腹まで入って、手枕をしながら母親の太ももに目線を合わせた。
しっかり脚を閉じて拭き終わった涼子は息子の視線から逃れようと、コタツに入り込んだ。
できるだけさり気なく…
涼子は息子が手放した新聞をめくり始めた。
孝行の好みでコタツは大きなサイズ。涼子の向かいにいるはずの息子はいつの間にか手枕をやめている…
裕之はコタツに肩まで入り込んだ。
そうなるとここからは、真向かいの裕之は見えなくなる。
涼子は膝元にほんの少しの冷気を感じた…
パラ… パラ…
新聞をめくりながら、涼子は少し背伸びをして息子の様子を覗いた…