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家族愛 33

ザクロ  2008-12-30投稿
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「大丈夫だよ。ゆっくり寝たらスッキリした。」

涼子は、雨降りでもあるし、夫を気遣ったが、仕度を始めた彼にそれ以上何も言わず、送り出すことにした…



暗い雨空の下、駅にはひときわ明るい色白の少女…

「あら?お父さん?」

「なんだ、ずぶ濡れじゃないか、傘は?」
「友達に貸してあげた。彼女遠いから」

優しい子だ

助手席に乗るのを確認して、車は動いた。

「映画面白かったよ〜」

真弓は粗筋やなんやかや話しながら、濡れた髪の毛をとかしている。

「それにしても早かったんだな。映画だけか?」

「う〜ん…何となく…」

気分が乗らなかったかのようだった。

「そうか…」

「お父さんは今日もごろ寝だったの?」

からかう笑顔…

「今日はお父さんずっと部屋で寝てたよ」

「…どうして…?」

「う〜ん…何となく…だよ」
「真似し」

「ハハ…」

信号待ちで沈黙…

「寒くないか?」

「うん…」

また沈黙…

「お母さんが来ると思ってた…」

「お母さんがよかったか?」
真弓はいたずらっぽい笑顔を見せるだけ…




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