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家族愛 34

ザクロ  2008-12-30投稿
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「私まだお昼食べてないんだ。」

「じゃ早く帰ろう」

「え〜、なんかお店で食べたい〜」

真弓はよくこんなことを言った。
そんな贅沢ダメダメ…
いつもなら即座に却下だ。

「口止め料なら渡したはずだぞ」
二人は何となく笑う…
孝行は時間を見た。
一時半…



食事の後片付けの途中で電話が鳴った。

「あら、あなた」

「真弓のヤツ、昼ご飯まだらしいんだが…」

孝行は助手席の真弓を一瞥した。真弓は期待しながらニヤニヤしてる…

「またおねだりだ。」

「仕方ない子ね。早く帰って来ればいいのに」

「まあ今日は他にも寄りたいらしいから、…夕方までには帰る」

夕方…?

涼子は少し不思議に思ったが、真弓ならありそうなこと…
ただ、夫は、涼子と裕之のことを忘れてしまったんだろうか…

「そう…あまり遅くならないようにしてね」

「あぁ、わかってるよ」

携帯を切る父親を見ている真弓も思った。
食事をしたとしても、「夕方までには」なんて…



「今日は部屋にこもらないのね」

テレビも着けずにリビングにいる裕之は不自然だ…

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