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―智宏と梨華― 1

 2009-01-05投稿
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「お兄ちゃん、ご飯出来たからテーブル拭いてもらえる?」

「え〜」

「あっそ。じゃあご飯食べないんだね」

「はいはい」

今日は両親が親戚の不幸で泊まりがけで留守だった。

だから今夜は高校3年生の智宏と高校1年生の梨華の二人きりなのだが、梨華が夕飯作る事になった。

「あ、意外にうまい。」

「意外は余計だよ!あたしも何気に料理作れるんだから!」

怒った口調ではあるが、梨華はまんざらでもない顔を浮かべた。

「ま、料理くらい出来ないと、嫁の貰い手が見つかんねーもんな。お前の場合」

「お兄ちゃんは何の取り柄もないから、誰にもお嫁に来てくれないだろうね。」
「ばーか、俺結構モテるんだぞ!」

「いいよ、そんな作り話は」
「作り話じゃねーし」

お互いけなし合ってはいるが、元々仲がいい兄妹だったので、賑やかな食卓を過ごしていた。



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