真弓は困ってうろたえている。可哀相に…
(あの…でも…)
こんな男でも父親には違いない。真弓は恐る恐る…小声で呟いた。
(こんなの……よくない…よ)
子供だと思ってたのに、しっかりしてる。まだ高校二年生なのに…
けなげな娘…
「そうだな…」
うつむいた真弓の頭をクシャクシャとして、孝行は言った。
「お金もったいないからね、お風呂だけでも入って帰ろう。」
え…一緒にってこと…?
また戸惑う真弓…
「アハハ…先にお前だけ入って来なさい。お父さんは後でいいから…」
孝行はバスローブを渡した。
(…はい…)
真弓はホントに戸惑っていた…
ラブホテル…
ここが何をする所かわからないほどバカじゃない。
確かに父親と、親子としては異常な行為があった…
でも、ここは…
自分の知ってる父親が、ほんの一瞬でも、そんなことを思った…
そう言う意味でしょ?
どう考えたらいいのか…
混乱してる…
風呂から上がったら…何気ない顔して帰ることができるかどうか…