涼子は伏し目がちに言った。
「ご飯…食べなさい…」
裕之は静かに座ってモソモソと口に運び始めた…
会話はなかった…
食べ終わった息子の食器を洗う。
裕之はまた自分を見ている…
ソワソワする自分が腹立たしい。
静かに椅子から立ち上がる裕之…
ドキドキと…鼓動が高まる…
近付いて来る…
ドキ…ドキ…
出し忘れたマグカップを持って来ただけだった。
ばかみたい…
ドキドキする自分が滑稽だった。
裕之は部屋に戻る。
下着などの洗濯物を干しに二階へ。
孝行との寝室からベランダに出た。
ベランダは裕之の部屋と繋がっている。
早く干してしまおう…裕之と目が合う前に…
様子をそれとなしに伺うとやはり視線を感じる…
ソワソワしながら、なんとか干して、裕之の部屋を一瞥した…
…いない…
涼子は寝室に戻った。
!!…ギョッとした。
夫婦の寝室に裕之がいる…
「な、どうしたのよ…」
足を進めると、裕之が立ち上がった!
ビクッとした涼子。
裕之はひるんだ涼子に襲いかかった!