涼子は…
「ヒ!」
悲しみと絶望が入り交じった形相!
(…オマエ達…)
孝行の喉は緊張で張り付いた。
裏返る声は震えた。
裕之の腰は止まらない!
(あ…なた…)
(涼子…裕之…)
(ち、違うの…ハアハア…ああ…裕之…やめて…)
「もう遅いよ!母さん!ハアハアハア!」
「ダメ!ダメ!やめなさい…お父さんが、お父さんがぁ!」
涼子は泣き叫ぶ!
絶望と絶頂にうろたえる妻!!
「ああ!許して!許して!ああ!ああ!イッ、イッ、イッちゃうう!」
シーツを握り締めて青筋を立てながら、涼子は硬直した!!
(…ああ…なんてことだ…)
腰が抜けたようにへたりこむ孝行…
(ハアハア…ハア…ハア…おしまいよ…おしまいよ…)
息が上がった涼子はうわ言のように繰り返した…
リビング…
シャワーを浴びて来るように言ってから、孝行はソファに座っていた…
髪の毛を拭きながら、二人はしおらしく対峙した…
お互いに目を上げることができない…
(…いつから…なんだ?)
涼子はなきそうな細い声で答えた。
(ひと月ほど前…)