彼女が開口一番に謝ってきた。「えっ?何?どうしたの?」俺は戸惑った。「わ…私…実は…実は44歳なんです!あと三ヶ月で45歳なんです」「えぇ―――!」俺は静かなラウンジに響くような驚きの声をあげた。(でもどうみても40歳くらいしか見えないよなぁ…はじめから騙されてたしなぁ)俺はしみじみと彼女を見ていた。「そのぉ…あのぉ…40過ぎてから相手を探しはじめたんです。結婚相談、お見合いパーティー…出会いは僅かでしたがありました。でも…たかられたり、騙されたり。エッチはしなかったけど、ブスデブババアよばわりで男性はよってこないし。それにもうじき生理も上がる年齢で…処女もみっともないなって…利用させてもらったというか…」彼女はボソボソと話した。「どうして俺の職場と本名を?」「あのぉ…コンドームの処理をしている時…スーツから見えていたので拝借を…偽かな?と思ったんですけど」「そっかぁ…いやぁ、騙されてたんだなぁ…」俺は背伸びをした。彼女は立ち上がり「もう二度とお会いすることはありません。本当にすみませんでした。」彼女は深々と頭を下げる。