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家族愛74

ザクロ  2009-01-23投稿
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そのうち、自虐的に笑った。

「この家どうなってんのかしら」

「…」

「血…なのかな…」

暗に両親を恨むひとこと…

だが、孝行は何も言えない…
ため息をつくしかなかった。
「そう…かもな…」


父親も相当のショックだったろう。
自分のことは棚に上げて、目の前の父親が哀れになった。

「大丈夫…?」

孝行は力なく微笑んだ。

「バチがあたった。それだけだよ。」

(……可哀相……)

「可哀相じゃない…父さんもお前を…」

分かり切ったこと…
真弓は返事をしなかった。

孝行は背伸びをした。

「あ〜あ!」

沈んだ空気にうんざりしていたのは真弓も同じだった。


「真弓…」

彼女は父親に向き直った。

「全部…ぶっちゃけよう」

「え〜!」

「わかるだろ?父さんだって、罪の意識ぐらいある…」

「そんなぁ、私は嫌だよぅ」

確かに…真弓に手を出したのは自分の方だ。

「お前は悪くないもんな…そうだよな…」

(そうは言わないけど…)

兄と母の関係を忌まわしいと思った。
自分もそう思われるのが怖い…

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