授業で習ったことを思い出した。
たしかあれはゴム製グレネード砲
落ちた所で爆発する砲弾だ。
ゴム製なので殺傷力は無いが、被弾すると爆風で吹き飛ばされてしまう。
続いて次々と轟音が鳴り響く。
ドゴーン!ドガーーン!ドガガーン!
その度に隊員達が吹き飛び、隊員達の悲痛な悲鳴が聞こえてくる。
そんな中で真緒少尉が大声で言った
「隊列を乱すな!
うろたえないで!」
他の隊員は決してうろたえてなかったが、被害にあった隊員は慌てていた。
遠くからこんな声も聞こえてきた。
「兵長!兵長〜〜!」
「駄目です!
上等兵がやられました!」
隊は5人一組で行動するため、兵長がやられたり、隊の中でただ一人の小型無線機(イヤホンとマイクがセットになってるやつ)を装備し、少尉や他隊との連絡係をする上等兵がやられるのは痛い。
真美兵長も美奈子上等兵もうろたえてなかった。
美歌一等兵と真紀二等兵も冷や汗一つかいていない。
うろたえているのは自分だけだった。
いつ自分のもとに砲弾が来るかわからない。
このままだと全滅してしまうにちがいない。
と思ったとき、指示がでた。
「全軍 突撃!」
その声と共にブラック・ウィンドが黒い風となって襲いかかった。
敵との距離まで50m余りとなったとき、敵が発砲してきた。
タタタターン! パララララ!
ダダダダダ!
「イヤッ! アンッ!」
先頭にいる隊員達がバタバタと倒れていく。
「ウッ! キャッ!」
なかなか前に進まない。
犠牲者は増していくばかりだ。
だが、まもなくすると敵も喚声をあげて向かってきた。
だいぶ兵力に差が開いてしまった。
そして両者は激突した。
前方で喚声や悲鳴が聞こえてくる。
そしてとうとうあたしの目の前に敵兵が現われた。