「あなたってそうやって女の人を口説くの?」
「口説かないよ、すぐに告白してフラれる」
少女は涙を拭って、笑った。
「少なくとも、私は口説き落とされたけど」
少年は笑った。
少女は濡れた衣服を着たままだった。
「ベッド…ごめんなさい。濡れてしまって…」
二人はもつれながら、ベッドに横たわった。
「僕の方こそ。勝手に着替えさせるのは失礼だと思って」
少年の指が濡れた少女の髪を撫でた。
少女は緊張して目を背けた。
「やっぱり、止めよっか?」
少年の声が近く聴こえた。
少女は応えた。
「……………して」
少女の頬は涙で濡れていたが、
少年は口付けで、ゆっくり涙を辿った。
「よく解るよ、君が哀しんでるのが」
「…………?あなたも哀しんでる」
「解るんだ」
少年に抱き起こされ、ゆっくりと身体をあずけた。
少年も何かに哀しんでいる。
少女も口付けを施したが、熱い肌が感じ取れただけだった。
「君の髪って本当はもっと長かったと思う」
「なんで?」
「似合うよ、長い方が」
「当てずっぽうなの?…っあ」
少年の愛撫が胸に及び、少女は声を洩らした。
「正解…今より長かった……彼が亡くなったから、切ったの。少し…だけ」
「うん」
変わらない返事に少女は安心した。
少女の胸、乳首と愛撫するうちに少女は息があがってきた。
少年の哀しみを知りたかった。
少年は愛撫を終え、ゆっくり唇を重ねてきた。
「ふっ…ぅ…ん」
「ん……っ」
二人は長く唇を重ね、舌を舐め合い、絡ませ始めた。
熱いものが咥内に流れ込む。
まだ少年が捕らわれている哀しみが伝わらない。
「っ…………」
「………?…」
二人はゆっくり唇を離した。
唾液が糸を引いたが、
少女は指で絡め捕り、舐めた。
「教えて、どうしてそんな瞳(め)で視るの?」
少女の衣服の上から突起した乳首を、少年は舐めた。
(あなたは、何が哀しいの?)
少年の指がゆっくり下着の中に滑り込んでくる。